東洋医学の瘀血(おけつ)について

2019/06/25

 最近では漢方などでも、瘀血(おけつ)という言葉
はよく使うので、1度はこの言葉を聞いたことがある
方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 現代医学では、瘀血(おけつ)という概念は、
全く取り上げられていません。ですので、これが、
各種の病気の原因になるという認識もなく、治療対策も
かんがえられていません。
 しかし、東洋医学では、瘀血(おけつ)は、
各種の病気の発現に関係し、また多くの慢性病の
体質的基盤をなしています。
 東洋医学においては、それを最も重要な病理思想の一つとして
いたため、この対処も出来ていて、その治療をすることで、
現代医学の及ばない効果を発揮することがあります。
 今日はこの瘀血(おけつ)について、簡単に説明したいと思います。

① 瘀血(おけつ)とは

血液として、もはや生理的な働きをしない、滞った血液
・全身の血液の運行が滞った状態
・局所的な血液の停滞
・経脈から離れた血液等 これらを瘀血(おけつ)といいます。


② 瘀血(おけつ)の原因
・遺伝体質 母親からの性格的遺伝に伴う体質的遺伝、
      妊娠中に於ける母親の心身ストレス等

・月経障害 月経血の排泄が妨げられる又は閉止による

・精神的ストレス 内分泌系、自律神経系(血管運動神経)失調を
         起こす為

・打撲外傷手術 内出血や外傷などの出血で再吸収された血液

・高熱等 溶血等
これらが主に原因となって瘀血(おけつ)が発症します。

③ 瘀血(おけつ)の影響

非生理的血液の瘀血(おけつ)が、身体に長期間あると、
体が毒性を有し抗菌力を失い、細菌等の繫殖を容易にします。
これが長く停滞すると、全身に循環し、各種の臓器、組織に
沈着し、その結果身体各部に疾病を誘発します。

つまり瘀血(おけつ)は、全身に影響を及ぼす慢性病や
多くの疾病のバックグラウンドとなるのです。

瘀血(おけつ)によって起こるとみなされる疾患については、
あまりにもたくさんあって、ここに挙げるのは大変なので、
また、次の機会に載せたいと思います。

以上のように瘀血(おけつ)は東洋医学では、多くの病気の
もととなる、代表的な病的状態です。
特に慢性病や度々繰り返す症状のある場合、
瘀血(おけつ)を取り除く治療をすることで、
治癒が早まることが多いです。